◆ 患者と医師を繋ぐ「ライフポートフォリオ」

 医者にかかる人も、1人の人間としてのライフ・ポートフォリオをもっていることがとても大事であり有効です。ライフポートフォリオとは、どういうものかというととても単純で、自分の身体や健康に関する情報をとにかくファイルに一元化しておけばいいのです。それは継続を前提とします。ポートフォリオファイルのなかには保険証、自分ののんでいる薬の情報、かかりつけのドクター、女性だったら月経の周期などが全部入れておきます。クリアポケットファイルがおすすめです。いつどこの病院へいき、そこでどんな薬をもらったか、ということもきちんと入れておきます、これは「内情報」ですから、もちろんこれは誰にも見せる必要はありません。だけどドクターや薬局とは共有する。秘密を守ってくれるわけだから大丈夫。

 
ライフポートフォリオに入れるもの
               (生命・生活・健康--情報)
{内 情 報}
 □ 体重
 □ 身長
 □ 視力
 □ 生理周期・身体の変化
 □ アレルギー
 □ 血圧
 □ 平均体温..etc

{外 情 報}
 □ 健康たより(保健所・診療所パンフレットなど)
 □ 喫煙の害など(新聞きりぬきなど)
 □ 健康目標(家族と相談してたててもいい)
 □ 食事の目安表(栄養士)
 □ ホームドクター・薬局、連絡表
 □ モデル生活習慣…etc

{健 康 資 料}
 □ 健康保健
 □ 病歴
 □ 服薬記録…etc

 ◆「ライフポートフォリオ」はこう活きる 

  ライフポートフォリオは、診断や治療に有効なばかりでなく過度な投薬や危険な重なりもふせぐことなどにも通じるでしょう。ポートフォリオは、自分の状況やこれまでの経過、習慣、特徴などを相手に伝える手段としてこのうえなく力を発揮します。しかしそのためには各自が確かなマイポートフォリオをもっていないとなりません。診察を受けるとき医師に自分の状況を伝えるときも必要なポートフォリオ内の情報を抜粋し凝縮して持っていくなどすればいいですね。話が端的で正確にできるでしょう。
 例えば問診時、「どんな薬飲んでますか」「痛いところないですか」など。もしここに…。私は去年、骨を2回折ってるんです。こえはその時の治療のカルテ記録です。いまもその名残で生活上で○○を今も不便しています、など健康や治療の「歴」を一元化したライフポートフォリオがあればとても正解に伝えることを叶えます。「1月に骨折」「2月に手術」その時、の自覚症状などの情報が入っている訳です。もしかしたら骨粗鬆症かなど、医者は、この人を見るのと同時に、この人の記録、ポートフォリオの2つを見ながらすれば確かな診断ができるはずです。

 ◆ 私がまず私の身体を知らなきゃ!---自己責任、自己管理 

  ライフポートフォリオは「健康自己管理」という面からも効果的です。私の身体なのに、「お医者様任せ」「その場、その場」じゃだめでしょう。
例えば、ポートフォリオの中には食物の好き嫌いも入ってるので、どんな生活習慣の人かも見えてきます。たとえばこれが子どもだったら、学校給食の栄養士さんも使えるわけです。同じファイルがそのまま病院でのアレルギー対策や治療対応にも有効となるわけです。あとご高齢の老人のアレルギーも老人ホームなどで活きますね。 つまり、食生活を自分でキープできない人間などは、自分のライフポートフォリオを見せることで自分の健康を守れて、よりすこやかな日常につながるでしょう。口じゃ言いきれないこともあるし、第一「正確さ」、に欠けます。正確でない健康情報やデータでは意味がないどころか、生命の危険にさえなります。どんなことでも、記憶を辿りながらだけで正確に言える人などいないでしょう。ライフポートフォリオを常備し、診察に掛かるときなど持参すればとても役立ちます。有る意味では「共有カルテ」という見方もできます。自己責任が大事です。患者自体の意識が深まらない限り、医療はよくならないでしょう。大概日本人は…私もそうだけど、「お任せします」っていいがちです。お任せできませんね、自分のことです、まず自分がきちんとしてからその情報をできるだけ正確に伝えて、それでからあとの医療テクニックのところは任せます、でありたいものです。

 ◆日常生活&健康状態の情報 

 普段どんな健康食品を摂っているか。薬の飲み合わせもあるから、この中には毎日飲んでる薬とか、サプリとか、普段の食事とか、自分の周期的なものだとか、風邪の特徴とか、自分は平均体温が低いとかね。これがあったら、一人ひとりが健康生活をするために自己管理しやすくなります。何より「医者任せ」でなく、「自分の意志」をもち健康に気をつけるでしょう。医師にしてみても、ミスや不適切な指導が減られるのではないでしょうか?入院するときもこれを持っていって見せるといいでしょう。急な事故でも、これがあればある程度、問診ができなくてもわかることがいっぱいあります。いずれにしても人間で有れば怪我や病気をまったくしないということはあり得ませんから誰でも患者になり得るわけですから、たとえいま健康であったとしても自分の身体情報を一元化しておくことは必要だということがいえるわけです。

  ◆ 日常生活&健康状態が見える 

人は健康な生活を望みます。ですからポートフォリオの一番最初のページには、自分の目標を書き入れます。より健康になりたいなど「健康目標」が書かれているわけです。そのために何をしますか?というアクションプランには具体的にできること、すべきことを書きます。

ライフポートフォリオの「目的」&「価値」

 ひとりの人間として健康生活に役立つ
  自己管理:ポートフォリオで「お医者さん任せ」をなくす
  ポートフォリオで自分の健康マネージメント可能
  健康管理
  アレルギー対策
  自尊感情

 診察や治療や入院の際に役立つ…
  医師に正確な健康(平時)情報を伝えることができる
  ダブル投薬を防ぐことが出来る
  共有カルテ/長期的治療プランを立てやすい
 病院・日常・勤務先などを一元化しつなぎながら健康維持



ポートフォリオの可能性や再構築に関しては「研修医ポートフォリオ」参照。